組織委員長あいさつ

 
 本年も国際超電導産業技術研究センター(ISTEC)が主催する第26回国際超電導シンポジウムISS2013が開催される運びとなりました。1911年に超電導が発見されてからすでに一世紀が経過し、酸化物高温超電導が発見されてからも四半世紀が経過しております。この間に、超電導技術はMRI、高磁場発生用コイル、磁気浮上列車をはじめさまざまな分野に応用されるようになりました。特に酸化物高 温超電導体の発見以降は、超電導技術の適用が期待される分野も広がりました。この超電導技術が進展する中で、一昨年の東日本大震災及びそれに伴う巨大津波による原子力発電所事故が発生したため省エネルギーかつ安全・安心な社会システムの構築が急がれています。この 社会システム構築はひとり我が国だけの課題ではなく全世界が一致して目指すべき課題で有ると認識しています。この社会システム構築に 超電導技術が貢献出来る分野とこれまで超電導技術の応用が具体的に考えられてきた分野を述べると、例えば1低ロスの電力システム、2低電力情報処理 技術、3高効率次世代交通技術、4再生可能エネル ギーの導入容易化、5高度磁気利用医療装置、6地震検知・資源探 査などのセンサ技術などがあります。これらの実用化をささえる基盤技術としては、たとえば超電導発現機構の理解、高品質の超電導体の 製造技術、交流損失低減技術、冷凍技術さらには各種シミュレーション技術などがあります。また鉄系超電導体をはじめとする新規超電導 体の探索も盛んに行われている一方、既に実用化されている金属系超電導に関する技術も益々高度化されています。このような普遍的な技 術開発は幅広い国際協力によって一層加速されるものと期待されます。
当シンポジウムは
1988年以来、20カ国を超える海外 からの参加者約100名を含め、500600名のご参加をいただいている国際的なシンポジウムです。世界中の研究者、技術者 、学生、事業家の 方々が国際協調の精神に基づいて、基礎から応用まで超電導技術について幅広く新しい知見を報告し、意見を交換し、討議する際に本シン ポジウムが役立ちますことを、ISS2013各委員会のメンバー全員が心から希望しております。

 

ISS2013 組織委員会
委員長
北澤 宏一



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